フラット三姉妹『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア』
- マイオナ管理人
- 2021年3月21日
- 読了時間: 20分
更新日:2021年4月4日

『MÄR-メルヘヴン-』第87話より
原作:安西信行 製作:テレビ東京、小学館プロダクション)
マイナー度 星4 ☆☆☆☆★
01キャラクター名
フラット・アー(赤毛、黄色い服の子)
フラット・ペー(黄毛、赤い服の子)
フラット・ツェー(栗毛、青い服の子)



『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア 公式ガイドブック』より
(小学館 2006年10月20日初版)
02登場作品・作者
ゲーム:『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア』
メーカー:KONAMI
版権:安西信行、小学館、ShoPro、TVTokyo
アニメ:『MÄR-メルヘヴン-』
製作:テレビ東京、小学館プロダクション

03登場シーン
ゲーム:『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア』 全編に渡り
アニメ:『MÄR-メルヘヴン-』第86話~第94話
04外見・特徴
フラット・アー
・フラット三姉妹の長女。
・ビビットカラーな赤毛の娘。癖っ毛である。
・黄色いドレスを着用。鎖骨のあたりが開いた半袖のパフスリーブで、スカート丈は結構短い。お尻のあたりには大きなリボンがついている。スカートの下はガーターベルトとハイソックス、厚底ブーツ。そして、至るところにシルバーのアクセサリー。これらのコスチュームは三姉妹で共通しており、色だけが違う。
・アニメとゲームで性格が違う。
・ゲームでは天然で不思議ちゃん。しかし、妹たちがピンチになると真面目になり、先頭に立ってリードする。終盤ではゴーストアームの影響を受けすぎて、幼児退行してしまう。
・アニメでは気だるそうで、悪ノリが好きな娘である。
・CV:植田佳奈(アニメ)、吉田小百合(ゲーム)
フラット・ベー
・フラット三姉妹の次女。
・オレンジ色の髪の娘。毛は上向きに跳ねている。
・黄色いドレスを着用。服のデザインは三姉妹で共通してる。
・勝ち気で乱暴な性格。アニメでは三姉妹を引っ張る立場であり、それに長女アーが悪ノリ、三女ツェーが巻き込まれるのがいつもの流れである。
・ゲームではうさぎプリントのパンツを履いていることを長女にからかわれる。
・CV清水香里(アニメ)、三宅華也(ゲーム)
フラット・ツェー
・フラット三姉妹の三女。
・栗色の髪の娘。腰まであるロングヘア。そして、メガネ。
・青いドレスを着用。服のデザインは三姉妹で共通してる。
・内気な性格で、姉たちに引剥される役回りである。彼女だけ”ですます口調”のため、三人揃ったときのセリフにアクセントとなる。
・CV門脇舞[後に門脇舞以](アニメ)、西川菜月(ゲーム)
共通の設定について
・ゲームのオリジナルキャラクター。後に、アニメでこれを元にしたストーリーが展開され、それに登場する。アニメとゲームでは多少内容が変わるため、その最期も違う。
・身長は145cmくらい。厚底ブーツで+10cm。
・フラット三姉妹は「ゴーストチェス」というグループに所属している。詳細については後述するが、敵グループの幹部のトップの直属部隊のメンバーという立ち位置になる。
・ゴーストチェスは音楽をモチーフにしている。彼女らの名前も「フラット」と「ABC譜面」をあわせたものであろう(アー、ベー、ツェーはアルファベットのドイツ語読み)。
・両親をなくしており、代わりに拾って育ててくれてた「ゴーストチェス」のリーダー・カペルを「カペル兄様」と慕う。また、カペルの秘書であるサラを姉のように慕う。
・武器は「メッス」という手を剣に変えるARM。あまり強くない。斬撃も飛ばせるが、強くない。
・合体技は「ロートカッペン」。それぞれが持っているパーツを重ねると星型になるアクセサリー、それによって巨大な赤ずきんちゃんを召喚するものである。これが意外に強い。主人公の切り札的な巨大なガーゴイルを安定して倒しちゃうくらいつよい。
・上記の赤ずきんちゃんを、戦隊ヒーローのようなバンクとともに召喚し、それに乗り込むのだが‥‥その中では全裸である。朝10時にして、かなり攻めている。なお、この状態では感覚を共有しているらしい。
・額と頬にタトゥーのようなものがある。これは三姉妹で微妙にデザインが違う。



『忘却のクラヴィーア』公式サイト(閉鎖済み。インターネット・アーカイブ)より:https://web.archive.org/web/20070828075939/http://www.konami.jp/gs/game/mar/ds2/

『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア 公式ガイドブック』より
(小学館 2006年10月20日初版)
05概要
作品について
『MÄR-メルヘヴン- 』は、安西信行による漫画『MÄR - Märchen Awakens Romance』を原作としたアニメ及びゲームのタイトルである。原作漫画は当時、『名探偵コナン』の次に売れていた大ヒット作品。アニメにビデオゲーム、カードゲームなどメディアミックスも多岐にわたった。また、土曜の朝10時という、当時は週刊少年サンデーのアニメ枠だった時間帯に、かなり攻めたエロス描写をしたことで、当時の少年はときめいたであろう(例、戦闘で服が破けて下乳を晒す、アイキャッチで全裸、触手プレイ、なんならOPでも茨で締め上げられ服の上からボディラインをさらす等。)
あらすじ・設定
主人公ギンタはある日、メルヘヴンという異世界に召喚される。理由は「チェス」とよばれる軍団によって支配された世界・メルヘヴンを救うため。ギンタのいた元の世界の住人は、メルヘヴンでは基本的に超人であり、過去にも異世界転移した者によって国が救われていた。ギンタはそのメルヘヴンの戦士にランダムで召喚されたのだ。
メルヘヴンでは「ARM(アーム)」とよばれるアクセサリーと魔力によって様々な力や武器を発現させることができる。それを使って戦争をおこなっていた。しかし、ある段階から「ウォーゲーム」という代理戦争に発展し、「メル」と「チェス」のふたチームに分かれて、戦いが始まった。
フラット三姉妹の所属について
彼女らの所属は「ゴーストチェス」という、カペルマイスターをリーダーとした部隊。絶対的な力を求め、「ゴーストアーム」という、禁じられたARMを研究している。アニメ版では「チェス」の参謀であるファントムの直属部隊で彼を崇拝しているが、ゲームではクイーン直属部隊でファントムとの中はあまりよくない。
「ゴーストチェス」は音楽を元ネタにしているらいしい。カペルマイスターは楽長という意味。フラット三姉妹も、音楽のフラットに、ドイツ読みのABCである。セリフにも、ハーモニー、楽章などと、それらしい要素が見受けられる。、
アニメの活躍 その1
「フラット三姉妹」の登場は第86話。ウォーゲームの終盤、突如現れた謎の男カペルマイスター配下の一員として彼女らは登場する。この話ではとくに会話はなく。本拠地で「私達にお任せください」という、よくあるセリフを言うだけである。
本格的な活躍は次話の第87話から。なんやかんやあり、見知らぬ砂漠へ転送されてしまったギンタたち一行。その黒幕の「ゴーストチェス」の本拠地に向かうことにしたのだが、その直前で砲撃を受け、二手に分断されてしまった。ギンタたちのグループは、別れたメンバーを探すため動けなくなった仲間・アルヴィスを洞窟に隠し、外へ出る。仲間を探していると、そこに突如ブーメランのようなものが飛んできて、奇襲された。ブーメランが飛んできた方向の岩場を破壊すると、その物陰から三人の少女が襲いかかってきた。それこそ「フラット三姉妹」である。「何者だ!?」、とお決まりのセリフでギンタが問うとそれぞれが自己紹介を始めた。
「まどろむグラーヴェ、長女アー」「弾むアレグロ、次女のベー」「恥じらうモデラート、三女ツェーです」、「「「我らフラット三姉妹!ゴーストチェスに勝利をもたらす、可憐なハーモニ!!」」」と、キラキラ輝きながらポーズを決める。主人公たち的には「こんなのもいるのか」と反応するヘンテコ集団なのだが、もっとヘンテコなやつがこの世界にはいっぱい存在する。ギンタたちの足止めをするため、彼女らは戦闘を開始した。

プリキュアのごとくそれぞれ名乗りを上げポーズを決めるフラット三姉妹。率先して戦いたがる次女のベーが真ん中にくる。
『MÄR-メルヘヴン-』第87話より
原作:安西信行 製作:テレビ東京、小学館プロダクション)
戦闘場面の序盤は飛ばされたが、その間にゴーストチェスのリーダー、カペルマイスターは、目的であった主人公の仲間アルヴィスをさらうことに成功した。作戦は完了したので、カペルマイスターの秘書であるサラ・バンドは撤退を命じた。しかし、好戦的な次女のペーはそれに納得がいかなかった。主人公が相手が女だからと刃物を使わないこととも加え、嘗められたままではいかないと、「ロートカッペン」なるものを使用しようと姉妹たちに提案する。内気なツェーは諌めようとするのだが、長女のアーがそれに乗り、強引に戦闘を続行することが決定した。そして、突如ロボットアニメのような長いバンクが始まった。
「奪え、愛!(アー)」「燃えよ、情熱!(ベー)」「踊れ、勝利のステップを!(ツェー)」、「「「舞い降りよ!ロートカッペンバルツァー!!」」」、「アルティスト・アー、セット」「アルティスト・ベー、セット」「アルティスト・ツェー、セット」‥‥バンクなだけ会って作画がいい。
───そうして空から現れたのは‥‥巨大な赤ずきんちゃん。決めポーズは仮面ライダー1号らしきもの。そして、その胸のブローチに格納される三姉妹。しかも、何故か中では全裸。なんだこりゃ‥‥。とはいえ、朝10時のアニメで少女の全裸を描くとはやりおる‥‥。



ロートカッペンの内部。精神世界なので全裸なのだろう。さすがに光度を上げてぼやかしているが、他のシーンでは光ってない。
『MÄR-メルヘヴン-』第87話より
原作:安西信行 製作:テレビ東京、小学館プロダクション)
主人公のギンタも、巨大なガーディアンガーゴイルを召喚しこれに応戦。さらに仲間のガーディアンも加勢し、バトルが始まった。なお、この間喋っているのはほとんど次女のベー。どうも、アニメでは彼女が主体で、長女が悪ノリ、三女がそれに引っ張られるのがお約束のようだ。
多勢に無勢、ラリアットを食らったその巨大な赤ずきんちゃんは、ダウンしてしまう。中にいたベーはまだまだと張り切るのだが、カペルマイスターからの通信がきてしまい、流石に撤退を余儀なくされてしまった。
続いて、88話。この話では特に活躍はない。拠点の近くまでやってきたギンタたちを監視室のようなところで発見したペーと、マニキュアを塗っているアー。けっこう好戦的な二人はそれを向かい打とうと提案するも、三女のツェーがそれをなだめる。そのような騒がしい漫才を始めると、そこに現れたお姉さん的な存在のサラに「これも計算のうちよ」と制止された。カペルマイスターからは何も聞かされていないフラット三姉妹は反論するも、「私の言うことが聞けないの」と威圧され、あっさり引き下がるのであった。
アニメの活躍 その2
続いて、アニメ第89話。主人公のギンタ達は、攫われた仲間のアルヴィスを追って近くの建物の中へ侵入した。その先に現れた「ゴーストチェス」のリーダー、カペルマイスター。その場面で、彼こそががアルヴィスにゴーストアームを使い呪いを進行させた犯人で有ることがわかり、ギンタ達はカペルマイスターを倒すべく6人がかりで攻撃を仕掛けた。
それを上から見ていた「フラット三姉妹」。兄のように慕う彼を助けようと意気込んだ。「あいつら、やりたい放題やりやがって!(アー)」「許せないですぅ!(ツェー)」「よーし!いくぜ野郎ども!」、……と戦闘に加わろうとするのだが、事前に手を出すなという命令が下っていたようで、別の仲間に止められてしまう。理由も聞かされてない三人は、むぅ~、とほっぺを膨らませたのであった。
なお、カペルマイスターの目的とは「クラヴィーアのアーム」という単語を伝え、ギンタたちにそれを探させることであった。なんて回りくどいことを……。それを遠目に確認した三人はそのままその場を去るのであった。

リーダーに作戦を伝えてもらえず、戦いを上から眺める三人。
『MÄR-メルヘヴン-』第89話より
原作:安西信行 製作:テレビ東京、小学館プロダクション)
アニメの活躍 その3
ひとつ飛ばして91話。ゴーストチェスらの拠点へどんどん近づいたギンタたち。それを、「フラット三姉妹」が迎撃する事となった。ギンタと仲間の魔女ドロシーが箒に乗って空を飛んでいたので、それを謎のビームによって撃ち落とす。そして、前回の借りを返すべく、戦闘を開始するのであった。
ここで、三女のツェー。ナイスおっぱいな魔女ドロシーの体と、自分のおっぱいを見比べて、ショックを受けて「いやぁー!」と叫んでしまう。同じくなんだか気に食わない長女アー。同じくおっぱいを見比べていた次女ベー。前回と同じく「まどろむグラーヴェ、長女アー」「弾むアレグロ、次女のベー」「恥じらうモデラート、三女ツェーです」、「「「我らフラット三姉妹!ゴーストチェスに勝利をもたらす、可憐なハルモニー!!」」」と名乗りを上げ、戦闘を開始した。なお、やはり戦いの序盤は飛ばされる。彼女らの武器は剣に変えた手と、ブーメラン。どうしても戦闘が盛り上がらないのだろう‥‥。
飛ばされて、次の場面。三姉妹は前回と同じように、巨大な赤ずきんこと「ロートカッペン」を召喚する。尺が足りないのか大幅にカットされたバンク。そして、やはり全裸の彼女ら。巨大なりんご爆弾を落とし、ギンタたちに攻撃を開始した。再び場面は飛ばされる。
全体と同じようにギンタはガーゴイルを召喚する。これは主人公の切り札なのだが、以外にも強い赤ずきんちゃんはそれを圧倒する。一応、前回から彼女らは特訓しているそうで強くなっていたそうだ。なお、ここで全く嬉しくない赤ずきんちゃんのパンツが見られる。
ガーゴイルを踏みつけていた赤ずきんちゃんなのだが、何者かの攻撃を受けずっこけてしまった。攻撃を仕掛けたのは、暴走を始めたアルヴィス。その強さに圧倒され、赤ずきんちゃんは消えて、三姉妹は倒れてしまった。その後、ギンタたちとアルヴィスの戦いが始まり、それが収まるまで忘れられてしまった彼女らはその話のオチとなった。
アニメの活躍その3
最期の活躍は第92話、93話。クラヴィーア編も終盤。「闘技場」の頂上に炎を灯すことで、アルヴィスの呪いを解くことがわかり、ギンタ達はそこへたどり着く。しかし、そこまでの道を開くことを誘導していたカペルがここに現れ、そのそれを横取りしようとする。いよいよ、メルとゴーストチェスの総力戦が始まった。
前回、前々回と同じく「メッス」で邪魔をするのだが、あっさりと通り抜けられてしまう。なので、それまでと同じく「ロードカッペン」を召喚する。さすがの戦闘力で圧倒するのだが、ここで第三勢力のロコが捨て身で呪いのARMを使用する。まず、金縛りのように動きを封じられ、数発受けたらショック死するような激痛を受けてしまった。三人とも、全裸で悲鳴を上げ、ロードカッペンを解除してしまった。

金縛りのARMにより、ロートカッペン内で動きを封じられる(全裸)。そして‥‥

「痛みを与えるARM」により、全裸で悲鳴を上げてロートカッペンを解除してしまうのだった。
『MÄR-メルヘヴン-』第92話より
原作:安西信行 製作:テレビ東京、小学館プロダクション)
そして、94話。前回やられてしまった彼女らだったが、次話ではちゃっかり起き上がっている。というのも、前回受けた攻撃は、痛みのみを与えるものなので、精神ダメージは大きいが、体はまだ動くらしい。「メッス」を発動し、戦闘を続けようとした。しかし、ここでゴーストチェスのNo.2であるサラ・バンドが前衛に出た。サラが生命力を蒸発させる力なゴーストアームでギンタたちを一網打尽にしようとし、フラット三姉妹らはその援護に回った。
しかし、やはり大技を放ったうえ、受けたダメージが大きいのかボロボロのフラット三姉妹。他の仲間と5人がかりでヒロインのドロシーと戦っていたのだが、あっさり吹き飛ばされてしまう。
そして、その目の前で姉のように慕っていたサラが、ゴーストアームの悪影響で自滅してしまった。ゴーストアームに肉体が耐えきれず、チリになって消えてしまったサラに涙を流したフラット三姉妹。特に逆上したベーが戦おうとするのだが、今回はさすがの長女アーも乗り気にならない。それでも、失意の中暗いBGMとともに、「ロートカッペン」を召喚する。これまでのヒーローのようなものとは違い、バンクも暗い顔になっていた。
そこで、前回彼女らに呪いをかけたロコの語りによって、実はまだ呪いが継続中であことが判明する。そんな状態で大技を使用してしまったため、彼女らも力を使い果たして倒れてしまった。
主人公のギンタは、それを助けようと回復をさせようとしたのだが、何故かそれを仲間が止めてしまう。「魔力が補充されるだけで痛みは消えない」らしいが、いや、呪いが解けて回復するならいくらかマシなはずなのである。(まぁ、呪いが継続中なことはだれも知らないのだが。)
それでも、ベーは戦おうとする。だが、アーもツェーも限界だった。
そこに、計画が失敗したリーダーのカペルマイスターが戻ってきた。そして、ゴーストアームこそが希望だと思っていたカペルはそれが間違っていたかもしれないと語る。そして、彼はゴーストチェスのメンバー全員を取り込んで、奥の手とも言えるゴーストアームを使用した。‥‥つまりは、やけくそである。
フラット三姉妹の最期は、そのやけくそによって取り込まれたものであった。しかし、彼のことが大好きな三姉妹はとろけた顔でそれを受け入れるのであった。



カペルマイスターのやけくそで、ゴーストチェスは全員取り込まれた。カペルが大好きな三人はそれをとろーんとした顔受け入れるのだった。
『MÄR-メルヘヴン-』第93話より
原作:安西信行 製作:テレビ東京、小学館プロダクション)
ゲーム内において
ゲームでの彼女らは、ボスキャラのひとつであり、また、物語終盤で話に大きく関わることになる。アニメとの違いは先述したとおり、物語と長女アーの性格が大きく違う。
設定は近いが物語が違うので、こちらではアニメにない描写もある。例えば、クラヴィーアの手がかりを探しに行く前に、長女アーが「帰ってきたらいいこいいこして~」とカペルマイスターにおねだりしたりと、その慕いっぷりが見える。今回は関係ないが、そのカペルマイスターもアニメとは性格が違う。アニメでは適当な狂人だったが、ゲームでは目的のために淡々と突き進み、仲間を気遣い心を痛めることすらある人格がある男なのだ。ゴーストチェス内での家族愛のようなものも描写され、彼らの互いの信頼が見える。
そして先述の通り、こちらでは巨大な赤ずきんちゃんは存在しない。また、武器のメッスの能力も、「アーは手を大きくして超音波」「ベーは両手をドリルのようにして攻撃」「ツェーは指を伸ばして突き刺すもの」になっている二度目の戦闘では『メッス・ツヴァイ』と強化版もある。

次女ベーのパンツがうさぎ柄なことをからかう長女アー。ゲームでは基本不思議ちゃんである。
『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア』より
( メーカー:KONAMI、版権:安西信行、小学館、ShoPro、TVTokyo)
ゲームでの活躍
アニメと同じく、アルヴィスにつけられたゴーストアームを外すため、クラヴィーアを目指すのが主なストーリー。フラット三姉妹はその旅先で邪魔をしてくる、中ボスといったところである。
最初の戦いは、ゲーム序盤のため優しく、まずはベー単体、次にアーとツェーのふたりと戦う。第二戦。DSという狭い画面で彼女ら三人を同時に相手にするので、結構な難敵だったりする。
そして、三戦目。こちらはイベントバトルで、強化されたプレイヤーキャラで戦うので苦戦しない。
さて、そこまでは大した役割ではないのだが、ラスボス撃破後のエンディングで大きな役割を果たす。
エンディングにおいて、彼女らの出生が語られる。過去の対戦で大怪我を負った彼女らは、カペルマイスターに拾われ、ゴーストアームの力で一命をとりとめた。それ以来カペルを信頼し、肉体を蝕むゴーストアームの実験体に自らなったのだ。そしてそれから、ゴーストアームの悪影響を取り去る「ナイトメア・シール」の効力でいくらか肉体の崩壊を抑えつつやってきたのだ。しかし、それにも限界があり、澱のように徐々に悪いものがたまってしまう。三戦目の暴走したアルヴィス戦で、ついに長女アーが限界を迎え、幼児退行してしまった。

暴走したアルヴィスの力に、普段は率先する次女のツェーも怯んでしまう。すると、長女のアーは前に出てリーダーシップを発揮した。しかし、この戦いののち、ゴーストアームの副作用により彼女は幼児退行してしまう。
『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア』より
( メーカー:KONAMI、版権:安西信行、小学館、ShoPro、TVTokyo)
一旦そこで戦線を離脱していたフラット三姉妹だったが、エンディングでアルヴィスの元に現れる。「ナイトメア・シール」の力で、アルヴィスにつけられたゴーストアームを取り去りに着たのだ。しかし、先述の通り彼女らの体はゴーストアームでボロボロ、「ナイトメアアーム」使ってしまったことで、消えてしまった。
そして
ゲームの中には「ミスティ・ナイト」と呼ばれる霧の騎士が存在する。彼らは機械的に動く存在で、それを統率する者が必要なのだが、物語の途中でその前任者がいなくなる。その役割を担えるのは「こころ優しきものだが、やんごとなき理由で大罪を犯してしまった人間」だけ。エンディングのスタッフロールで、その後継者にフラット三姉妹が選ばれる描写がされた。
総評~ 名作の要素脇役 ~
フラット三姉妹は、原作漫画には登場しないゲームオリジナルキャラクターだ。アニメ化作品のゲーム化作品というわけで、原作から一枚挟んでいるため、原作者の安西信行は関わっていないと思われる、たぶん。(なお、このゲームの前作の『カルデアの悪魔』は、原作者がストーリー作成に関わっているという触れ込みであるめ、断言はできない)
ゲーム内序盤では、彼女らは特別重要なキャラというわけでもなかった。しかし、徐々にストーリーの中に織り込まれ行き、エンディングにおいて彼女らの存在があることで、物語がうまく締めくくられた。「ゴーストチェス内の絆」「ミスティ・ナイトの後継者問題」「アルヴィスにかかった呪い」、ゲーム内のメインの問題を解決するキーパーソンである。主人公レベルの活躍だ。
そして、アニメ化において。アニメではラストが異なるので、まったくもってキーパーソンでは無いのだが、かなり目立つ存在ではあった。ゲームラストのような活躍がないのなら、ほぼモブ兵士に近い活躍になってもおかしくはないのだが、そこはスタッフの愛によってうまいこと料理されている。アニメのクラヴィーア編は各キャラクターが原作にはない掘り下げをしまくっており、今回は紹介しなかったが、ロコ、シャトン、キャンディスなど漫画では一度しか戦闘しないような者たちも大いに活躍している。絡まないキャラが絡んだり、この話を転機にキャラのその後が原作と変わったりする、アニメでは重要な章なのだ。
さて、フラット三姉妹に話を戻すが、アニメでは彼女らはただの戦闘員でしかないはずだった。武器も体を変化させるものと、物語の終盤と考えるとあまりにも地味すぎるもの。というか実際、生身バトルは飛ばされている。しかし、登場の変な名乗りや漫才、そして、巨大な赤ずきんちゃんことロートカッペンをアニメで手に入れたことにより、大きく存在感が増した。
巨大な赤ずきんちゃんそのものもインパクトが有るのだが、なんとその後たった数回の登場のためにバンクが用意されている(しかも、一回は変化ありのバンク)その事実。しかも、その中に全裸で搭乗。朝10時である。全100話ほどあるアニメのわずか数話でも、なかなかの衝撃があるだろう。
そして、ラスト。主題となったゴーストアームの恐ろしさに振り回され、悲しい音楽とともに戦う彼女らは、アニメでも悲劇のヒロインであったろう。いや、ほんとうにゴーストチェスのメンバーの中で一番キャラ立ってるのだ。名脇役である。
とまぁゲーム・アニメの双方で大きな役割を果たしたのが彼女らだ。ゴーストチェスのなかで、最も目立ってもいる。正直名所管理人は全裸のインパクトだけで興味を持ったのだが、掘り下げるとまったくもって、いいキャラであった。
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06マイナー度
星5 ☆☆☆☆★
漫画『MÄR - Märchen Awakens Romance』は、当時コナンに次いでサンデーで売れていた作品である。アニメ化などの多岐にわたるメディアミックスも含めて、当時を知る人間からすればその人気は疑う余地はない。しかし、その一方、フラット三姉妹の知名度はどんなものであろうか。
はっきり言おう、ない。
アニメ『MÄR-メルヘヴン- 』は、当時としてもなかなかのエロス描写でネットでも語られることがあるが、その矛先はドロシーという主人公の仲間である。具体的に言うと、服を破かれ下乳を晒し、アイキャッチで全裸になり、ラストバトルで触手責めに合う。時点でキャンディスであろうか。
で、フラット三姉妹なのだが、検索したところで個人のアニメの感想ブログくらいしか出てこない。一応、海外のアニメキャラWikiにもいたが、最低限の情報しか乗っていない。女ザコWikiも、マース(『MAR』のアニオリキャラ)などはいたが、彼女らやサラ・バンド(おなじく『忘却のクラヴィーア』のキャラ)、ガーニッシュ(『カルデアの悪魔』のオリジナルキャラクター)までは網羅していない。
検索すれば情報が出てくる有名作品で、このキャラの情報量。間違いなくマイナーキャラであろう。贔屓も含めて、星4とした。
参考
・『メルヘヴン カルデアの悪魔』(KONAMI、安西信行、小学館、ShoPro、TVTokyo)
・『MÄR-メルヘヴン- 忘却のクラヴィーア 公式ガイドブック』 (小学館 2006年10月20日初版)
・animeperson『MAR』: http://animeperson.com/anime/mr/
・イルレイは何故現れるのか MÄR -メルヘヴン- : http://irurei.blog97.fc2.com/blog-category-53.html
・ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 日本語版 : https://ja.wikipedia.org』より
MAR (漫画):最終更新 2020年8月11日 (火) 03:05
MARの登場人物:最終更新 2021年1月17日 (日) 11:08
ARM (架空の武器):最終更新 2020年9月30日 (水) 06:55
・『メルヘヴン カルデアの悪魔』HP : https://www.nintendo.co.jp/ds/software/am2j/index.html
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