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スズメバチ(魔王 JUVENILE REMIX)

  • 執筆者の写真: マイオナ管理人
    マイオナ管理人
  • 2021年7月4日
  • 読了時間: 10分


漫画『魔王』(少年サンデーコミックス)第24話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎


マイナー度 星1 ★☆☆☆☆

01キャラクター名 

 スズメバチ

02登場作品・作者

 漫画『魔王 JUVENILE REMIX』

 漫画:大須賀めぐみ 原作:伊坂幸太郎

 第21話~、その後も全編に登場


 漫画『Waltz』

 漫画:大須賀めぐみ 原作:伊坂幸太郎

 第21話~第22話


 舞台『魔王 JUVENILE REMIX

 演劇ユニット「*pnish*」

 (詳細未調査のため不明)

03外見・特徴

 ・黒髪の肩までショートヘアの少女。『Waltz』で登場した4年前の姿は腰まであるロングヘアである。
 ・格好はロリータファッション。頭部はヘットドレス、もしくはリボン。服は様々だが、ロングスカートで統一している。
 ・両太ももに向かい合うようにハチのタトゥーが入っている。
 ・バレエシューズを履いており、これが武器。つま先に自家製の毒を仕込んでおり、かすっただけでも致命傷になる。当然蹴り技主体で、毒意外にも膝蹴りなどもする。
 ・ノーパン。代わりに秘部を絆創膏で隠している。スカートをたくし上げて飛んだり跳ねたりするので、作中の人物にしっかり見られている。恥ずかしがる様子はない。
 ・職業は殺し屋。特に深い描写はないが、言動や思考が常識からかけ離れているので、おそらく幼い頃から特殊な環境で育てられたのだろう。
 ・当初は決まった所属がなく、仲介屋を介して金で仕事を請け負う殺し屋。しかし、標的のグラスホッパーに捕獲され、そこに所属となった。
 ・基本は丁寧口調。男を「おじ様」「お兄様」、女を「お姉様」などと呼び、グラスホッパーのリーダー犬飼を飛蝗の「王様」と呼ぶ。例外としてグラスホッパー所属の超能力者、ドゥーチェのマスターだけは口汚く「糞眼鏡」と呼ぶ。

04概要


作品について

 『魔王 JUVENILE REMIX』は伊坂幸太郎による小説『魔王』及び『グラスホッパー』を原作とし、大須賀めぐみが手掛けた漫画作品である。大まかな話の流れは『魔王』同じだが、主人公ら兄弟の年齢設定や、登場人物に差異があり、『グラスホッパー』に登場する殺し屋や、オリジナルのキャラクターも多数登場する。
 グラスホッパーという自警団のリーダー犬飼を中心に、人々は洪水のように先導され膨れ上がり、日常が変化していく。その以上さに気づいた高校生の安藤は、「思ったことを他人に喋らせる」という超能力を使い、抗おうと考える。そこに大企業や殺し屋、裏社会の組織、別の超能力者の存在が入り混じっていく。魔王とは誰のことなのか。
 また、この登場人物の蟬を主人公としたスピンオフ、『Waltz』も同作者により連載された。

「スズメバチ」について

 スズメバチというキャラクターは伊坂幸太郎による小説『グラスホッパー』に登場した、若いカップルの名称である。彼らは毒を使う殺し屋であり、漫画に登場する少女とは全く似ても似つかない。
 ツイッターの呟きによると元々は原作に近いキャラの予定だったらしいが、実は招待自体がネタバレ要素のため、どうしようか考えた結果、このようなノーパンキャラに仕上がった模様。なお、出典は不明だが、Wikipediaの作者のページによると『女性キャラでは「魔王 JUVENILE REMIX」に登場する殺し屋・スズメバチを描くのが好き。』らしい。

スズメバチのデザインの経緯について。作者ツイッターより(https://twitter.com/m_osuga/status/1287301309599584256



登場

 連載順でスズメバチが登場するのは、『魔王 JUVENILE REMIX』の第23話。自警団グラスホッパーと、大企業アンダーソングループは政治的な対立をしていた。グラスホッパーは裏工作と裏社会の人間を使い、民衆を扇動してアンダーソン社にプレッシャーを掛けるが、「そちらがそう来るなら」とアンダーソンもまた裏社会の人間を雇った。それがスズメバチである。

活躍

 過激な活動を行っていたグラスホッパーのメンバーたちのもとに、突如彼女は現れた。「蜂よ…蜂よ…~」と詩を歌い、スカートをたくし上げ、太ももにある蜂の入れ墨を見せつける。そして、グラスホッパーたちを靴に仕込んだ毒針で攻撃した。裏社会の人間であるスズメバチに一般人が敵うわけもなく、その後も次々と自警団は襲撃される。だが、その現場を偶然主人公とそのクラスメイトが目撃してしまった。顔を見られた相手も始末対象のため、スズメバチは主人公らを追いかけ始めた。

 主人公は警察を呼び、パトカーに乗って逃げる。スズメバチは近くのバイクを奪いそれで追う────が、この主人公が乗っていたパトカーがグラスホッパーの罠だった。襲撃された自警団の配置、主人公の逃走すべてを俯瞰から見ていた犬養は、初めから彼らを誘導していた。主人公を捉えたと思ったスズメバチが、本当はグラスホッパー追い込まれていて、待ち構えていた何十人という自警団の数の暴力により彼女は取り押さえられたのだった。
 犬養は、アンダーソンが裏社会の人間を雇うことをわかっていて、わざとグラスホッパーを攻撃させたのだ。そして、捉えたスズメバチを公衆の面前にさらし、彼らを誘導することが目的だった。

ホラーの方に主人公を追い詰めているつもりが、ホラーのように追い詰められてました。

漫画『魔王』(少年サンデーコミックス)第26話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎


 猿ぐつわと目隠しをされ拘束を受けたスズメバチは壇上に上げられて、アンダーソングループへネガキャンに利用された。
 しかし、犬養の野望を阻止したがっている主人公は機転を利かせ、超能力で犬養にスズメバチを開放させるよう仕向ける。スズメバチは当然、標的の頭である犬養を攻撃する。
 犬養は着ていたコートを投げつけ目くらましをし、そのスキに部下の超能力者がスズメバチを攻撃したことで、彼女は再び取り押さえられたのだった。

目隠し、猿ぐつわで拘束されたスズメバチ。なお、毒針付きの靴は履いたままらしい。この後、主人公の策略により解放され大暴れし、また同じように捕まりました。

漫画『魔王』(少年サンデーコミックス)第26話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎



活躍 その2

 次の登場は第60話。グラスホッパーの集団はどんどん勢力を増しており、いつしか主人公の住む街を支配するほどとなっていた。しかし、自警団と称しつつも傷害事件を起こしているのも事実であり、彼らは警察と衝突していた。武装した機動隊が犬養を捕まえようとした時、スズメバチは再び登場する。
 どうやら、前回捕まった後自ら入団を志願したらしい。当然誰もが反対するのだが、犬養が許可したため、彼女もグラスホッパーの1員になっていた。とはいえ本当に降伏したわけではなく、まだ犬養の命を狙っていたわけだが、当の犬飼が全く相手にする様子がない。スズメバチがなぜかと問うと、「それが運命だから」と犬飼は当然のように答える。(犬飼は人には皆生まれ持った使命があって、自分の相手となりうるのは主人公だけだと信じ切っている。そのため、それ以外の全ては「自分の驚異ではない」と異常なまでに疑っていない)
 加えて、前回解放されたチャンスをものに出来なかったお前は相手ではないと煽られたため、スズメバチは犬会に毒針を向けた。だが、犬養の言う通り彼女の攻撃は再びドゥーチェのマスターに邪魔された。
 激昂したスズメバチの目は、完全にそのマスターに向けられた。超能力者相手に互角に渡り合い、激しい戦いの末、その頬に傷をつけることに成功する。毒針は傷つけるだけでも十分な効果がある。それで勝ったと思ったのだが、長い射程距離を持つ超能力により岩をぶつけられ気絶した。

漫画『魔王』(少年サンデーコミックス)第60話、第61話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎



活躍 その3

 その半年後。物語は第2部へと移る。先の事件で安藤は死に、何も知らないその弟潤也は兄の死因を探っていた。潤也は策を巡らせ、やがて犬養のもとへたどり着く。そして、彼の態度に激昂したのだが、その瞬間背後からスズメバチが現れて彼を取り押さえる。そのまま殺そうとしたのだが、犬養の命令により開放する。
 どうやらスズメバチ、あれ程のことをしておきながらもまたもや犬養の温情で許されたらしい。そして、今度こそ本当に服従し、全てを捧げると決めた。

漫画『魔王』(少年サンデーコミックス)第77話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎


命を狙った相手に2度も許されたスズメバチは、完全に犬養に忠誠を誓い、靴にキスするほどである。一方、それ以外の人間にはかなり厳しい。

漫画『魔王』(少年サンデーコミックス)第87話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎


 それからしばらく。潤也の暴走はエスカレートを続け、超能力を使い競馬で勝ちまくって得た大金を使い、裏社会の人間を大量に雇う人間になっていた。そして、「令嬢」という組織が犬養を狙っているという情報を得て、それを彼に伝えにいった。(潤也は自分が犬養の手で潰したいと考えている)その場にいたスズメバチは、そこから犬養の護衛、裏切り者の始末に動く。
 しかし、相手もプロなため、潤也から聞いた「令嬢」の狙撃の阻止には失敗してしまう。これは、潤也が雇った人間たちによって、ギリギリで犬養の命が助かる。
 それを察したスズメバチが潤也のもとに行くと、今度はグラスホッパー内の裏切り者の情報を聞かされる。「令嬢」が犬養暗殺計画を進められたのは、グラスホッパーに内通者がいたからだ。スズメバチはその内通者を久々の毒針で始末したのだった。
 最終話において10年後が描かれるのだが、そこにスズメバチの姿はない。特に何かが示唆されてる様子もないので、ただ写ってないだけであろう。


裏切り者の確証を見つけたスズメバチ。一見ぶち抜きのドレスハットでスカートの中身を隠しているようで隠しきれていない。フリルの下は絆創膏なんですけどね。

漫画『魔王』(少年サンデーコミックス)第95話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎



『Waltz』において

 第1部の主人公安藤、第2部の主人公潤也と関わりのあった殺し屋「蟬」。彼を主人公としたスピンオフ作品においても彼女は少しだけ登場する。主人公「蟬」のマネージャーによって、最終決戦の武力として雇用された。呼ばれ方は「ロリータちゃん」。雇い主にはかなり雑に扱われる。
 アンダーソンに雇われる4年前のその姿はかなり幼い。しかも、『魔王』が週刊少年誌で連載していたのに対し、本作は月間青年誌のためか、スカートの広げ方が大胆になっている。

漫画『Waltz』(ゲッサン少年サンデーコミックス)第21話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎


漫画『Waltz』(ゲッサン少年サンデーコミックス)第22話より

漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎


 チクタクという殺し屋率いる武装集団が、大量の蜂蜜とミツバチによって混乱してるさなか、彼女は登場しそれらを倒して回る。しかし、まだ幼いためか、チクタク本人に殴り倒されてしまうのだった。
 だが、スズメバチも同時に蹴りでかすり傷をつけていたので、チクタクも毒で動けなくなる。雇い主はその状況を利用してその場の戦闘は収まった。戦いの後、フラフラと立ち上がったスズメバチは撤収を命じられた。

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06マイナー度


星1 ★☆☆☆☆

 本作は伊坂幸太郎という超ビッグネームによるヒット作『魔王』を原作としている。この時点で十分凄いのだが、コミカライズの本作もそれに負けないほどの迫力で描かれ、廉価版の発売、舞台化までされた。間違いなくメジャー作品であろう。そして、この物語は主に主人公ら兄弟と犬養を中心に描かっるため、女っ気が少ない。巨乳キャラや潤也の彼女などもいたが、あんまりヒロインらしい活躍はしなかった。特に潤也の彼女の方は、編集者の判断により最終回の登場をカットされたらしい(Wikipedia「魔王 JUVENILE REMIX」の制作秘話の項目より)
 つまりスズメバチは当作品における唯一の女っ気と言っても良い。しかもロリータファッションのノーパンというとんでもなく責めたデザインだ。読者であれば間違いなく印象に残るであろう。個人的に伊坂幸太郎が好きなのもあって星1にした。



参考

・漫画『魔王』 漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎(少年サンデーコミックス)

・漫画『Waltz』 漫画:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎(ゲッサン少年サンデーコミックス)

・ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 日本語版 : https://ja.wikipedia.org』より

 魔王 JUVENILE REMIX:最終更新 2021年6月5日 (土) 04:14

 Waltz (漫画):最終更新 2021年6月5日 (土) 04:25

 大須賀めぐみ:最終更新 2019年1月22日 (火) 12:28

 伊坂 幸太郎:最終更新 2021年5月16日 (日) 23:58




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