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プリンセス=マリー(Vassalord.)

  • 執筆者の写真: マイオナ管理人
    マイオナ管理人
  • 2020年8月25日
  • 読了時間: 11分

更新日:2020年8月30日



出典:「【公式】「Vassalord.」7巻限定版付属OVA PV第2弾」

 原作・黒乃奈々絵、制作・プロジェクション・アイジー


マイナー度 星4 ☆☆☆☆★

01キャラクター名 

 プリンセス=マリー

02登場作品・作者

 漫画・Vassaload. (ヴァッサロード)

 作・黒乃奈々絵


 OVA・Vassaload. (ヴァッサロード) ※第七巻アニメイト初回限定特典

 原作・黒乃奈々絵

 制作・プロジェクション・アイジー



03登場シーン

 漫画・第一章(ブレイドコミックス第一巻収録)

 

 OVA・全編

04外見・特徴


 ・自分の背丈よりも長いロングヘア。金髪で、黒く細いリボンをつけている。
 ・幼女。みごとな分銅のようにフラットなボディ。
 ・衣服はお人形のようなドレス。
 ・吸血鬼の隷属。当作品における吸血鬼には二種類あり、自ら吸血鬼となった「真祖」と真祖に血を与えられ吸血鬼化した「隷属」がある。マリーはその後者。
 ・吸血鬼のため「心臓を破壊されると死亡」「日光を浴びると灰になる」「血を吸わなければならない」という弱点がある。その他にも水銀や十字架など吸血鬼らしい弱点もある。
 ・手から冷凍ビームを出す。
 ・外見通りの幼い頃に吸血鬼化し、その後五百年間眠っていたため性格も言葉遣いも幼女のままである。ただし怒ると若干口調が年上っぽくなる。
 ・吸血鬼となる前はとある国のお姫様(プリンセス)であった。
 ・「凄まじい食欲で、一夜で村一つ分の男の血を吸い尽くす」と伝説が残っているが、実際は自分が食べていたわけではない。ただ、己の吸血鬼としての主への捧げものとしてそれくらいの人数を襲ったのは事実。怖い。
 ・上記からつけられたあだ名が「幽宮のヘリオガバルス」。ヘリオガバルスとはローマ皇帝の一人で異常な色欲を持った暴君として知られている。

 ・五百年前の髪型はおさげで長さも胸のあたりまでしか無い。また、ドレスもいくらか質素に見える。

05概要

作品について

 「Vassaload.」は黒乃奈々絵による漫画作品。コミックブレイドZEBELおよび月刊コミックアルヴィスにて連載された。作者いわく自分の大好きなものを煮込んだらこれができた(一巻折返し裏)。内容はBLで主人公の吸血鬼(男)とサイバーヴァンパイアハンター(男)の二人が結構ガッツリ絡む。掲載誌からしてそういうお嬢様がた向けの作品だからしょうがない。

あらすじ

 吸血鬼の真祖「レイフロ」と、彼によって吸血鬼の眷属となり更にサイボーグ化したクリスチャンの「チャーリー」。彼らの愛をあの手この手で描写する漫画。管理人は乙ゲーをやったことはありますが、本格的なBLの漫画を読むのは初めてなのでそんな感想しかだせませんでした。ちゃんと内容はあります。

登場

 マリーの登場は物語の第一章から。ヴァンパイアハンターとしての要請を受けヴァチカンへ呼ばれた主人公の一人「チャーリー」。その依頼の内容は己のマスターである吸血鬼「レイフロ」と、ヴァチカンが保管してきた吸血鬼「マリー」との交換だった。ヴァチカンはレイフロを研究材料として欲しがっており、見返りとして司祭としての正式な地位もチャーリーに保証した。が、当然、ホモカップルの彼らは断るつもりだった。

 マリーはその依頼相談中、画面越しに水槽の中で首に数本の細い管を繋がれ保管された状態で登場。服は簡易的な薄いワンピースの肌着。覚醒はしているようで、マリーを保存しているヴァチカン研究機関のシスターに何度か意思を伝えていたらしい。この描写では水槽の中で捕らえられているヴァンパイア幼女でしかなかった。

覚醒

 チャーリーとレイフロが約束の交換場所へ行くと、そこには首筋に噛まれたような跡がある干からびた遺体と口元を血で汚したマリーの姿があった。どうやら、マリーはもとから自由はできたのだがレイフロに合うためにわざわざこのようなシチュエーションを作ったらしい。それが叶った今、もはや不要になったのか本能に逆らえなくなったのか、ヴァチカンの者たちを手に掛けたのだ。
 マリーは襲ったあとにお色直ししたのかドレス姿でいる。後々わかる設定だが、吸血鬼は変身能力で服を作れる設定がある。つまり、おそらくドレスは変身能力で作っており、本来は最初の薄い肌着姿のまんまだ。喜べロリコンども。

 さて、吸血鬼が人間を襲ったという惨状を見て黙っていられるヴァンパイアハンターではない。チャーリーは即座にマリーに攻撃を仕掛けようとするが、それをレイフロが制止する。
 詳しくは後に描写される設定だが、五百年前、吸血鬼になる前までマリーは亡国のお姫様であり、レイフロはその国の騎士であった。マリーは以前よりレイフロと仲が良かったようだが、吸血鬼化して狂い始めた。騎士として常にレイフロにそばにいて欲しがり、また人の血を吸いたがらないレイフロに餌として村一つ襲撃して用意するほどの超ヤンデレ状態になっている。そのため、レイフロとヴァチカンの手により封印され眠りについていたのだが、いつのまにかヴァチカンの研究員たちが起こしてしまったのだ。目覚めても相変わらずレイフロに異常な執着をもつマリー。騎士としてレイフロにずっとそばにいるように言い、彼にチャーリーを殺すように命令した。
 そんなふうに、二人の間ではプリンセスと騎士(ナイト)というやり取りが当たり前のようになされるのだが、そんなことは知るよしもないチャーリー(と当時の読者)。なんとなく昔関係あったのかなとは思うが、置いてけぼり感はある。

 レイフロを独占したいヤンデレのマリー。狂った吸血鬼のマリーは駆除するべきだと考えるチャーリー。どちらも大切なレイフロ。互いの主張が確執する中、レイフロは突然チャーリーを突き飛ばす。何をするかと思えば、マリーはなんかれいとうビームを放っていた。チャーリーは突き飛ばされたのでくらわずに済んだがレイフロは凍った。

マリーの れいとうビーム!

 この漫画には吸血鬼化した人間を更にサイボーグ化する技術や、呪い・結界の存在などいろいろなファンタジー要素がある。吸血鬼も複数のコウモリに変身し、再生するなど人間にはない能力も持っている。
 しかし、こんな魔法のような凍気を放出する吸血鬼は漫画内でもマリーだけだ。「昔は凍ってもすぐ戻ったのに~」とか言うあたり昔からこんな技を使ってたらしい。そんなれいとうビームを出したり、黒い棘など魔法みたいな攻撃を繰り出すマリー。他の吸血鬼はこんな事しない。第一話だし多分設定が固まってなかったのだろう。吸血鬼はとて心臓がやられれば復活できないが、マリーは二度も致命傷になりそうなところに杭を打たれている。まぁ、あたってないと言われればそれまでなのだが。

 さて、そんなマリーの相手するチャーリーも負けてはいない。彼は吸血鬼だがサイボーグなので陽の光も平気だし、メカの犬も従えている。なんだ、こっちもわけわかんないやつじゃないか。
 最初こそ攻勢に見えたマリーだったが、チャーリーの発射した注射器のようなものを脚に食らう。中身は聖水に浸し神に捧げられた「水銀」。吸血鬼の体内に入ればただでは済まない。マリーの脚にはブクブクと水疱のようなものができ、中から肉を腐らせる。マリーは絶叫。涙を浮かべ苦しむが、更に追い打ちでメカドッグに襲われる。なんという幼女虐待。かと思えば更に追い打ちで、チャーリーに巨大な柄付きの杭を胸に刺された。

そして‥‥

 マリーとチャーリーの戦いの決着はつかなかった。マリーは水銀により脚を負傷し、胸には穴があいているため動けない。チャーリーもまた蓄積したダメージによって動けなくなっていた。互いにとどめがさせない状況の二人の元へ、とっくに氷漬けが溶けていたレイフロがやってきた。レイフロはマリーに優しい言葉を投げかけながらも、チャーリーに己の血を与え回復させる。そのままレイフロは外へ、意図がわからないチャーリも追いかけて外へ。マリーは動けないので、まま置いていかれた。
 追いかけたチャーリーは建物の外の屋根の上でレイフロを捕まえ抑え込んだ。はたから見ればピンチのレイフロ。彼に強い執着を持っていたマリーは回復したのか、二人のことを追いかけてきた。だが、そこまでがすべてレイフロの思惑どおり。その時、朝日が上がる時間帯になっており、ちょうどあがってきた陽の光に当てられ吸血鬼であるレイフロとマリーは灰となり散っていった。
 隷属のマリーはそのまま灰となったが、真祖であるレイフロはコウモリとなり復活した。結局の所、思うところがあり直接倒すことは避けたが、マリーの騎士となることは選ばれず、愛するチャーリーが選ばれたのであった。

 その後の描写は特に無い。会話の中でマリーという名前が出る事はある。また、レイフロの過去がかられれる時、騎士時代のレイフロと姫だった頃のマリーの肖像画が描写される(第二十一章、単行本五巻収録)。初期からキャラ設定は決まっていたのだろう。

吸血鬼化する前、国のお姫様だった頃のマリー(左下)と騎士のレイフロ(右)

出典:「Vassalord.」(黒乃奈々絵)

ブレイドコミックス第五巻より



総評 ~『ホモカップル敗北系女子』という視野拡大の可能性~

 「Vassaload.」の拝読に当たり、初めて読むBL漫画なのでいろいろな新鮮味があった。やはり管理人には慣れない演出技術もあり読解しきれているとは限らないだろうが、各所参考にして大筋は間違いではないと思っている。

 さて、このマリーというキャラクターは初めてのリクエストにより記事にした。同時にいただいたリンク先「女ザコ・敵女・悪女情報wiki」には、コメント欄の時間から少なくとも「2015年08月14日(金) 09:14:45」からマリーの記事が存在していたのだが、それにしても一体どこの誰がどうやってこのキャラを見つけてきたのであろう。wikiの扱う内容的にBL漫画のキャラとはそうそう繋がりそうもないものだが。まぁ、敵女キャラの情報は様々な画像掲示板やSNSにて情報のやり取りがされているので、何かで見かけてもおかしくはあるまい。

 「ホモの当て馬」とご紹介を頂いた通り、マリーは主人公らホモカップルの愛の確立のために散っていった幼女キャラクターだった。そう書くとだいぶ酷いあつかいだが、まぁしかしメインターゲット層が腐の方々の作品だ。これは男性向け作品で言うところの「百合カップルが過去からの因縁がある、いけ好かない男をぶっ飛ばした」的なシュチュエーションなのだろう。そう考えるとホモカップルが女を排除しただけの展開、そっちの業界ではわりとベタなシチュエーションなのかもしれない。そこまで考えたとき、管理人は気がついた。「ホモカップル成立のための犠牲となる女キャラ」って結構いるのではないか、という可能性に。それは今回のマリーのように直接的な犠牲もあれば、「ホモに寝取られる元カノ」なんてそんなジャンルもありうるのではないだろうか。軽く検索してみたら同人で「メス堕ち男子の元カノポジション」キャラが散見された。アリかもしれない。

 とはいえ、管理人にそのためだけにBL作品を大量に漁るつもりはない。実際、今回「Vassaload.」を全巻読んだのだが、自分の守備範囲ではないので軽いダメージを受けた。しかし、そこに可能性があるとわかった以上、機会さえあればBLに詳しい掲示板などで「ホモカップルに敗北した女子」というキャラを聞いて探ってみようかと思う。期待はしないでいただきたい。

 とにかく、新たな視点が見えたのだ。このマリーというキャラクターに出会えたこと、そしてリクエストを頂いた方には少しうす汚れたスペシャルサンクスを送る。

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06マイナー度


星4 ☆☆☆☆★

 今回は色んな意味で判定に迷った。この「Vassaload.」という作品はお嬢様界隈では人気なようで、最終巻付属でこのマリーが出てくるOVAが制作され、他にもドラマCDも複数出ている。しかし、認知度が局所的すぎる気がする。そう思って掲載された「コミックブレイドZEBEL」などの発行部数を確認したかったが、どうやら公表されていない模様。発行会社の「マッグガーデン」自体も新しい出版社で情報が少ない。しかし、発行していた雑誌・月刊コミックブレイドやその姉妹雑誌が軒並み無くなったところを見ると売れ行きは芳しくはなかったのかもしれない‥‥。

 どちらにせよだ。BL漫画である当作品の主なターゲットは間違いなく女性であり、その中でわざわざゲストキャラの幼女のマリーに注目するのはごく少数であろう。そして男性でこの漫画を読んでいるのは単純に相当少ない。売れてようが、売れていまいがその点に関しては事実であろう。

 やがて消える事となった雑誌掲載とはいえその看板を飾り、声優を呼んだイベントまで開催している人気作品だ。なので、マイナー度は星5よりの星4であろうか。よくこんな細い橋が渡ってここに情報がきたものだ‥‥。

参考

・ブレイドコミックス「Vassalord.」(黒乃奈々絵) 全七巻

・Vassalord. 特設ページ animate ONLINE SHOP(アニメイトオンラインショップ) : https://www.animate-onlineshop.jp/special/vassalord/pc/

・Vassalord.|ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 日本語版|最終更新 2020年8月19日 (水) 01:49 : https://ja.wikipedia.org

・黒乃奈々絵|ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 日本語版|最終更新 2019年8月28日 (水) 03:37 : https://ja.wikipedia.org

・マッグガーデン|ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 日本語版|最終更新 2020年4月17日 (金) 08:26 : https://ja.wikipedia.org

・【公式】「Vassalord.」7巻限定版付属OVA PV第2弾 - YouTube : https://www.youtube.com/watch?v=VAm1lc5Julc

・マリー(ヴァッサロード) - 女ザコ・敵女・悪女情報wiki : https://seesaawiki.jp/villainess/d/%A5%DE%A5%EA%A1%BC%A1%CA%A5%F4%A5%A1%A5%C3%A5%B5%A5%ED%A1%BC%A5%C9%A1%CB

・人気作「Vassalord.」のイベントレポ&フォトが到着! OKMusic :https://okmusic.jp/news/7630

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