レムス『アカメが斬る!零』
- マイオナ管理人
- 2021年2月23日
- 読了時間: 9分

『アカメが斬る!零 (ビッグガンガンコミックス) 』第1巻より
(作・作:原作・タカヒロ、作画・取流ケイ)
マイナー度 星3 ☆☆☆★★
01キャラクター名
レムス
02登場作品・作者
漫画『アカメが斬る!零』
作:原作・タカヒロ、作画・取流ケイ
03登場シーン
『アカメが斬る!零』 1巻
04外見・特徴
・滑らかなロングヘア。カチューシャをつけているのだが、前髪が垂れているので髪留めではなくオシャレアイテムな模様。色は白黒のため不明。
・上半身はタートルネック、下半身はフリルスカートにタイツ(もしくはレギンス)。加えてロングコートで露出は少ない。
・武器は日本刀に近い片刃のもの。
・帝国所属の暗殺者として育てられている子どもたちの一人。作中「No.32」と呼ばれるが、話の流れからキルランクと思われる。後述。
・実力はかなり低い。作品自体、かなりキャラの強弱の差が激しい作風なのだが、到底戦闘員にもなれない弱さである。
・最期は薬物を注射され、処分された。
05概要
作品について
『アカメが斬る!零』は原作・タカヒロ、作画・取流ケイによる漫画作品。同原作者よる作品『アカメが斬る!』の前日譚であり、次作『ヒノワが征く』にもつながる作品である。月刊ビッグガンガンにて連載された。
前作『アカメが斬る!』にて、革命の殺し屋集団「ナイトレイド」に所属していた主人公アカメ。その前日譚である。この作品で帝国のスパイ・暗殺者として育てられ、やがて反逆し「ナイトレイド」へ所属するこことなる。
冒頭
レムスの姿は無いが、設定上、彼女は第二話(一巻収録)から存在しているはずである。『アカメが斬る!零』の中での八年前。帝国は、自国に反逆するものを抹殺するため、優秀な暗殺者を育てることにした。世界中から百名以上の子供を買い集め、樹海に放ち、生還したものを育てていく選別が始められた。何十名かは脱落すると予想された中、優秀な七人はエリートとして特別な教育を受けることになる。そのエリートに選ばれ、特別な訓練を受けることになった主人公のアカメ。そして、それ以外の残り物グループに分けられたその妹のクロメ。物語はこの二手に分かれて始まる。
レムスもこの選別を受けている。作品内で、「百数十名で始めて数十名が生き残る」という大雑把な計算がされており、この中の生き残りなのである。これにクリアできるものは才能がある────というわけでもなく、弱っているか否かの古い程度らしい。彼女も一般人程度に丈夫だったようだ(一般人レベルが良くわからない)
登場
レムスが登場するのは、第五話のクロメパート。クロメが所属する五名のチームのメンバーとして彼女は登場した。八年前の選別でエリートチームに入れなかった彼女らは、薬物による強化を受けつつ訓練をかさね、暗殺部隊として生き残るべく奮闘していた。
初登場シーンでは、彼女らは帝国の処刑場で罪人を始末する命令を受けていた。メンバーらはそれぞれ一撃で標的を仕留める中、一人だけ罪人を仕留めそこなってしまう者がいた。それがレムスだ。
どうやらその囚人たちを使って人間を切る訓練をしているのらしいだが、彼女はその中でも実力が低いらしい。一撃で処刑しそこねてしまったが、もう一太刀をくらわせて「ヨシッ」としてしまう始末。その罰として、チーム全員でその処刑所の掃除をされられる描写からその話は始まる。

一撃で仕留めそこないましたが、追撃でしっかりとどめを刺しました。ヨシッ!
‥‥この技量の低さが、後々の悲劇をうむ。
『アカメが斬る!零 (ビッグガンガンコミックス) 』第1巻より
(作・作:原作・タカヒロ、作画・取流ケイ)
もうこの時点で相当な弱者なのが垣間見えるが、どれくらい彼女が弱いのか考察してみよう。
同場面に登場する主要キャラのクロメは、暗殺部隊でのキルランクが8位。これは戦い慣れた戦闘員や強者を複数相手にできるくらいの強さで、強力な武器を手にすればほぼ負けることが無いくらいだ。
仲間の一人は10位。こちらも一般戦闘員にたいして苦戦はしない。仲間の援護をしながら戦える程度には余裕を持っている。
残りの仲間二人はこれらとレムスの中間であろう。一般兵士に負けないものの不慣れさがあり、数で押されるとスキを見せて危うい場面がある。また、片方はスパイのボスに真っ二つにされるなど、人外レベルに達せなかったラインだ。
そして、後々No.32と呼ばれるレムスはおそらく32位。この中で一番技量が低い。斬ったと思った相手からそのままカウンターを受けるなど、薬物による肉体強化では補えないほどの才能のなさだ。ランクは評価によって変動する。皆、7位以内を目指して奮闘するのだが、残念ながらインフレの激しいこの世界で32位から昇進するのは難しいであろう。もう一度いうが、不安定な薬物で強化してこれである。
さて、この作品群の読者ならこの五名のチームがこのあとどうなるかすぐに察したであろう。こういった序盤に出てきた主人公以外の勢力は間違いなく壊滅する。なので、「近いうちにクロメ以外全滅する」と予想したはずだ。クロメはその後の時系列で生き残ってるし、レムスら他のメンバーは未来にいないなど、特にネタバレを考慮することもない。
レムスは登場したこの時点でもう「どう生き残るのか」ではなく、「どう退場するか」という状態なのである。特に、わざとらしいほど可愛い見てくれ、ポンコツ要素、弱いなど、このシリーズでは真っ先に処分される要素がたっぷりであった。
はじめての実践
前述の訓練ののち、レムスらAチームはついに初の実践任務に投入されることになる。
標的は近隣の村に住む異民族のスパイ。他チームが追い立てたものを仕留めるのが彼女らの役割。「私達ならうまくやれる」「生き残ろう」など、わかりやすいフラグを立てて実践にのぞんだ。
薬で調整される彼女らは、見敵次第錠剤を飲み、肉体を強化して作戦を開始する。薬による強化、訓練も相まって子供ながら、そこらの戦闘員よりは強いらしい。なので、次々と敵を倒す。見事任務を達成────とは、当然いかなかったのである。
先の訓練で囚人を仕留めそこなったレムスは、実践でも同じ失敗を犯してしまう。仲間たちの活躍に乗り、喜々として交戦する。その高揚感からか、「アハハ、私達全然生き残れるよ!」をフラグ前回なセリフを吐いたのだが、その後ろには、訓練のときのように仕留め残った敵が剣を構えていた。
レムスはその相手に後ろから斬られてしまう。さらに怯んだすきにもう二人の男から攻撃を受けてしまう。槍が腹部を貫通し、剣撃によって左肩を負傷。仲間の援護はあったが、大きな負傷を受けてしまったため、その場で倒れてしまう。任務自体はクロメの活躍により成功した。しかし、チームはダメージを受けることとなり、実践の過酷さを思い知ることとなった。

一撃で仕留めそこないましたが、追撃でしっかりとやられました。ヨシッ!
‥‥技量の低さが、さらなる悲劇をうむ。
『アカメが斬る!零 (ビッグガンガンコミックス) 』第1巻より
(作・作:原作・タカヒロ、作画・取流ケイ)
そして……
戦闘後。仲間の一人は真っ二つになってしまったが、レムスは息があることが判明する。仲間の手によって施設に運ばれたレムスは治療を受け、一命を取り留めた。しかし、ダメージが深く戦闘員としての再起は不可能と判断され、処分されることが決定してしまう。
何も知らないレムスの病室に現れたボスに、彼女は「傷が治り次第‥‥」と告げようとするのだが、不意打ちで首に薬物を注入されてしまった。帝国のために尽くしたのは事実として「せめて幸せに逝くがいい」と、薬物の効果で幸福な家族に囲まれた夢を見ながら、股から色々漏らしながら処分されたのであった。


世界中から買い集められた子供の一人であるレムス。彼女が見た夢は幸せだった頃の日々なのか、送ることができなかった少女時代だったのか。ベッドの外まで垂れるとはどれだけ漏らしたんですかね‥‥
『アカメが斬る!零 (ビッグガンガンコミックス) 』第1巻より
(作・作:原作・タカヒロ、作画・取流ケイ)
総評 ~この頃流行りの女の子~
『アカメが斬る!』はダークファンタジー作品のため、そこかしこに悲惨な目に合うキャラが登場する。というか誰かを活躍させるためだけに、毎度新しい犠牲者が登場するのである。して、レムスのように可愛らしい新キャラが出てきたら、まず間違いなく生き残れないことが前作から読んでいるファンにはわかるであろう。彼女が登場したのは物語の序盤、世界観や作品の方向性を読者に伝えるわかりやすい演出が必要な時期だ。ここで可愛い女の子を悲惨な目に合わせてやろう、というのはシナリオ作りにおいてセオリーである。
管理人はこういう作風で序盤のひどい目に合う役になるのはだいたい「性格がネジ曲がった嫌な女」「くっころ系」「無垢な少女」あたりが多いと思っている。レムスは「無垢な少女」に分類されるだろう。しかし、そのオチとしては珍しい方かもしれない。大抵は派手な演出を目的にグロテスクに逃げるのだが、一命をとりとめてからの暗殺者として役に立たないので淡々と処理されるというのは、世界観やその作品の社会構造が見えてきて面白いと思う。それも、任務には失敗したが尽くしたのは事実と多少の礼節を持たれる。解説をしてみると登場は一話だけだが、一人で色々と役割をこなしていた名脇役なのかもしれない。(ラストシーンの読者サービスのためとか言わない)
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06マイナー度
星3 ☆☆☆★★
『アカメが斬る!』はガンガンコミックスJOKERで連載された人気作品。連載時には表紙も飾り、アニメ化もしたメジャー作品である。その前日譚たる『アカメが斬る!零』も、連載時期が重なる形で月刊ビッグガンガンで連載されていた。話はつながっているが、独立した別作品のような関係でもある。さて、これをどう評価しよう‥‥。
『アカメが斬る!』は連載初期から、かなり注目された作品であった。第一話から主人公が反逆の道に染まり、強力な武器を持つゆえ戦闘を行えば必ずが死亡する過激さは、読者の心を奪ったであろう。しかし、それゆえ、話がワンパターンという問題点が挙げられる。集団が出てきては全滅する、集団が出てきては全滅する。仲間を犠牲にしつつも、基本的にその繰り返し。『アカメが斬る!』では新鮮だったが、二年後に連載が始まった『アカメが斬る!零』もほぼ同じパターンで、ファンであるほど新鮮味を味わうことはなかったのではないだろうか。そんなわけもあってこちらは姉妹作品であるが、あまり同レベルには語り難いのだ。
とはいえ、レムスの登場は第一巻。『アカメが斬る』を読んだついでに目にするかもしれない。一応メジャーな作品のゲストキャラということで、マイナー度を星3とした。
参考
・ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 日本語版 : https://ja.wikipedia.org』より
アカメが斬る!:最終更新 2021年2月3日 (水) 14:58
・『アカメが斬る!零』(原作・タカヒロ、作画・取流ケイ) 全10巻
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