top of page

月読ジゼル(金田一少年の事件簿)

  • 執筆者の写真: マイオナ管理人
    マイオナ管理人
  • 2020年12月16日
  • 読了時間: 10分

『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第4巻より

(作・天野明)


マイナー度 星2 ☆☆★★

01キャラクター名 

 月読ジゼル(つくよみ じぜる)

02登場作品・作者

 漫画・金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ

 作・天樹征丸、さとうふみや


 アニメ・金田一少年の事件簿R

 制作・読売テレビ/東映アニメーション


 実写ドラマ・金田一少年の事件簿N(Neo)

 製作著作・日本テレビ

03登場シーン

 マンガ・『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』薔薇十字館殺人事件

 第一話~最終話まで(講談社コミックスマガジン4~5巻収録)


 アニメ・『金田一少年の事件簿R』31~36話


04外見・特徴

 ・黒のウェイブがかったロングヘア。バラの装飾がついたヘッドドレスを着用。
 ・パフスリーブのついた半袖のワンピース型ゴスロリ衣装。これをトリックに利用する。
 ・華奢で小柄ながら結構胸がある。
 ・常に眉が寄ったような表情。
 ・20歳。格好もあるがもっと若く見える。
 ・歌人であり、殺人事件が起こるたび詩を読むとんでもない人。実はこれもトリックなのだが、これが原因で墓穴を掘るドジっ子。大根役者とまで酷評される。
 ・ちなみに詩を読むことは本当にただの趣味から始まった。偶然仕事にしていた。
 ・元の名前は"美咲ジゼル"。まさかのジゼルが本当の名前。月読は引き取られた親戚の性。つまり本名である。こんな目立つ名前だというのに、その場の関係者には知られていなかった。
 ・入浴シーンがある。アニメではマイルドに表現され、ドラマでは実写で再現されている。
 ・入浴の際、背中に十字の焼け跡があることが確認される。
 ・人間越しに床に杭を打ち込んだり、部屋のカーペットをワイヤーで引っ張り動かすなどなかなかの肉体派。
 ・ネタバレになるが、要するに事件の犯人。自分と母を葬ろうとした者たちを狙って事件を起こした。
 ・金田一少年シリーズの黒幕である高遠遙一の腹違いの妹。まるで重要人物のようだが、この話以外には一切出てこない。

05概要


作品について

 『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』は原作・さとうふみや、漫画・天樹征丸によるミステリーシリーズ『金田一少年の事件簿』の連載作品の一つである。当シリーズは最初の連載の終了後も短期集中連載をなんどかしており、20周年記念シリーズの名の通り20年以上も続いているメジャー作品である。
 有名な名探偵を祖父に持つ主人公・金田一一はそのIQ180の頭脳で、次々と難事件を解決してゆく。決め台詞は「ジッチャンの名にかけて」。じっちゃんとは横溝正史の推理小説の主人公・金田一耕助を指しており、全く別作者のキャラクターである。制作者らは、予め妻に挨拶をしていたが、著作権を所有している遺族が別にいたことが後々判明し少々揉めたらしい。一定の金額を支払い、解決済みの模様。一時期、「金田一耕助の孫」という記述が控えられたが、この設定は生きている。

月読ジゼルについて

 ジゼルの登場は『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』の最後の事件、薔薇十字館殺人事件である。
 金田一少年の宿敵・高遠遙一という犯罪者にトリックを授ける犯罪者のもとに、ある日一通の手紙が届く。高遠は身分を隠していたにもかかわらず、それを知って手紙が届いた。内容は「パーティに来い、来なければ同じくパーティに誘っている異母妹を殺す」といったもの。高遠当人ですら知らない妹の存在に興味を持った高遠は、主人公の金田一少年を誘い、そのパーティに参上する。そのパーティの出席者の一人が"月読ジゼル"であった。青いバラの完成披露会と称して開かれたパーティ。出席者らは着物やスーツなどの正装なのだが、一人だけゴスロリドレスで参上したのでとてつもないインパクトで登場した。こういうキャラは金田一少年シリーズでは珍しい。
 さて、そんなジゼルの初登場のセリフが以下のもの。「私は花詠みの歌人 月読ジゼル こちらで公開される青薔薇を詠んでみたくて 蝶のように飛んでまいりました」。登場していきなりこれである。金田一も女好きだが、こういうタイプは苦手な模様。小柄でおっぱい大きいのに。確かに、金田一がお姉様系が好きだった記憶。
 なお、手紙の通り高遠に異母妹がいるのであれば、年齢的に彼女の可能性が高い。一応他にも女性は3名いるのだが、どう見ても彼女だけ目立ち過ぎなのである。

事件編の動き その1

 館に集められた一行はディナーのため、食堂に集められた。そして、用意されていたクロッシュを開けるとそれぞれのさらにバラバラの死体が薔薇を添えられて入っていた。当時のネットでの感想【薔薇でバラバラ】。
 全員が恐怖におののく中、ジゼルはそこに添えられていた「花開いた薔薇と二つの蕾」と「黒いバラ」の花言葉を説明する。意味はそれぞれ「永遠の秘密」「死ぬまで憎む」。ここめでは恐怖を煽るミステリー的な展開である。問題はこの後だ。
 彼女はその二つのキーワードをもとに、遺体の前で詩を詠み始めた。ちゃんと意味があり、わざとやっているのだが、明らかに奇行である。
 さて、その詩を聞いた一人が急に慌てだし、薔薇で埋め尽くされた門を無理やり通ろうとして死亡する。薔薇のトゲにランダムに毒が塗ってあり、被害者はそれに引っかかれて命を落とした。

事件編の動き その2

 犠牲者が出た中、館に閉じ込められた一行。金田一少年は事件を解決するため、関係者らについて調べる。その途中、女子風呂の描写がなされ、先に来ていたジゼルの入浴描写が見られる。サービスシーンまであるとは彼女どこまで目立つのだろう。そしてその際、背中に大きな十字の火傷の痕があることが判明する。
 金田一少年シリーズを追っているファンらはこの描写である事件を思い出したであろう。それは「銀幕の殺人鬼」という事件における描写。黒河美穂という女学生にも背中にサソリ型のやけどがあり、裸体をすのに抵抗がある人物だった。そして、いわゆるミスリードなのだが、解決編含めてなんの説明もされずに終わったのだ。(アニメでは照明器具の事故によるやけどと説明されたらしい)ファンらはミスリード云々よりすっぽかされるのを気にした


『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第4巻より

(作・天野明)

 ジゼルの入浴シーン。背中の焼け跡が一見需要そうだが、ミスリードかもしれない。ミステリーでは、こういうものは詳細が語られるまでは当てにならない金田一少年の場合、説明せずに終わるという前科もある。このシーンはややマイルドにされつつも、アニメでも描写された。ドラマでもちゃんとヌードで描写された。

『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第4巻より

(作・天野明)



事件編の動き その3

 その後、金田一一行は当然のごとく連続殺人を防げず、次々犠牲者が増えていく。そして、そのたびにジゼルが詩を詠む。しかも、怪しい行動もとりまくる。案の定、この時点で、金田一と高遠には犯人の疑惑が掛けられていた。
 金田一は容疑者らの情報を集めているシーンにて。どうやら「館に集められた全員が火事に嫌な思い出がある」と当たりをつけた金田一は、火災報知器を鳴らしそれをあぶり出した。火事で母を失っていたジゼルは「助けてっ!お母さん!!お母さん!!」と部屋から飛び出した。先も言ったとおり、高遠遙一の妹は異母の関係である。これまでの情報と合わせて、妹である確率がぐんと上がった。
 なお、3人目の被害者が出たとき、アニメで被害者の悲鳴が「(ジゼル)キャー!」と字幕されており、いち早く視聴者に犯人とネタバレしてしまった

「館に集められた全員が火事に嫌な思い出がある」と睨んだ金田一。それを確認するためにわざと火災報知器を鳴らしたところ、他の関係者同様ジゼルもパニックを起こしてしまった。高遠遙一の異母妹の可能性が高い「高遠より年下の女」に加え「母が関係する」ことがわかり、彼女がその異母妹である可能性がぐんと上がった。

『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第5巻より

(作・天野明)



解決編にて

 散々ネタバレしたが、ジゼルはこの事件の犯人である。最後のターゲットを手に掛けようとしたとき、それを全員にあっさり目撃されてしまった。金田一が仕掛けた罠「全員この部屋からでるな」というごく単純なものに引っかかったのだ。探偵ものでこれで解決する事件始めて見た・・・。
 ジゼルは標的と二人きりになったとき、それを殺害しようとした。そのあとは館ごと爆破するつもりだったらしい。

「全員この部屋から出るな」という金田一の提案で各個撃破ができなくなったジゼル。ターゲットと二人でトイレに行くふりをして殺害しようとしたところ、それをあっさり見られてしまう。言い訳をするも現場が見られたので苦しい。そして、犯人おきまりのセリフを吐くのであった。ポンコツ・・・・

『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第5巻より

(作・天野明)



 さて、証拠は集まっていたので事件のトリックを暴かれてゆくジゼル。その過程で、彼女がどれほどポンコツで体力派なのかが判明する。金田一では珍しくないか・・・。
 まず、金田一と高遠に事件早々からジゼルが怪しいと思っていたのは、毎回事件発覚のたびにジゼルが詠んだ詩が不自然だったからだ。単純にそんなことしているのが怪しいが、詩の内容が"犯人しか知り得なかった情報"がふんだんに含まれているというお粗末なもの。また、男湯の薔薇風呂の内容を知っていたという発言。物証がなかったというだけでとっくに怪しまれていた。異母妹ということも丸わかりなことを含め、金田一少年シリーズでも最も犯人がわかりやすい事件であろう。

 また、そのトリックにおいてもジゼルはかなり体力勝負なことをしている。ハンマーを使って体ごと杭を床に打ち付ける。そして、杭が打たれた円形のカーペットの端をワイヤーでくくり、引っ張って回転させる。階段や廊下を走り、その後何事もなかったように登場。これが一つのトリックでやったことである。とても小柄で華奢な女の子がやるトリックではない・・・。

『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第5巻より

(作・天野明)

『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第5巻より

(作・天野明)

ひとつのトリックで「ハンマーで杭を人体ごと床に打ち付ける」、「円形の部屋のカーペットをワイヤーでくくって引っ張り回転させる」という力技を繰り広げた。すごい頑張ってる。出てくるたびにカワイイ。



 それでも物証が無いと主張したが、兄である高遠にスカートの中に手を突っ込まれ所持していた被害者の服の一部を隠し持っていたことがバレてしまう。こうして、彼女は罪を認めた。
 その後、館を爆破してすべてを吹き飛ばすつもりだったが、リモコンスイッチを高遠にナイフで突きぬかれて失敗。あえなく確保された。

物証である「被害者の服の切れ端」。スカートの中に隠してあったのが暴かれてしまった。兄妹だからえっちではない。

『金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ』第5巻より

(作・天野明)



高遠遙一の妹として。

 金田一少年の宿敵である高遠遙一のルーツとして登場し、それがよもや重要な事実のように物語は進んだ。しかし、最終的には「妹だとしても自分には似ていない」の一言で終了。そういう扱いなので、続編でも再登場は期待できないであろう。


総評 ~目立ちすぎ、設定を盛りすぎ、しかしスッといなくなる~

 目立つ名前。ゴスロリ。謎ポエム。小柄で力持ちでおっぱい。入浴シーン。悪の宿敵の妹。事件の犯人。
 これでもかというほど設定を盛ったこの娘。金田一少年シリーズにはインパクトのあるキャラクターが数多くいるが、その中でもこれが目立たないわけがない。案の定、連載当初から彼女はじわじわと注目を集めていた。
 そのため、ファンからは高遠遙一と組んでより強力な犯罪者になるのではと期待されたりしたが、そのラストはあっさりしたものであった。ずるずる引き伸ばされるよりも逆に良かったのかもしれない。
 『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』での登場も期待されたが、連載が終了したためそれはないであろう。無念。


<広告スペース>


06マイナー度


星2 ☆☆★★★

 金田一少年シリーズは膨大な数の事件があるが、犯人や関係者を含めてインパクトのある人物が多く、割と覚えられていることが多い。名前を覚えていなくとも、"あの事件のアイツ"で伝わるのではないだろうか。しかし、「月読ジゼル(20歳)」。このインパクトは尋常ではない。高遠遙一の妹とか、事件の犯人とか、そんな情報関係なく、出だし一発目から衝撃的だ。しかも、事件にガッツリ絡みm目立つ。十分すぎる描写だったのではないだろうか。
 金田一少年シリーズは間違いなくメジャー作品。レギュラー・準レギュラーほどではないにしろ、その次くらいに目立つので星2とした。




参考

・金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ(天樹征丸、さとうふみや)講談社コミックスマガジン 4~5巻

・金田一少年の事件簿R(リターンズ) | 東映アニメーション:http://www.toei-anim.co.jp/tv/kindaichi_r/

・月読ジゼル (つくよみじぜる)とは【ピクシブ百科事典】:https://dic.pixiv.net/a/%E6%9C%88%E8%AA%AD%E3%82%B8%E3%82%BC%E3%83%AB

・黒河美穂 (くろかわみほ)とは【ピクシブ百科事典】:https://dic.pixiv.net/a/%E9%BB%92%E6%B2%B3%E7%BE%8E%E7%A9%82

・銀幕の殺人鬼(金田一少年の事件簿) - アニヲタWiki(仮) - アットウィキ:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/11468.html

・【金田一少年の事件簿R 2期】第34話 探偵だから字幕から今回の事件解決できそう(感想まとめ) あにこ便:http://anicobin.ldblog.jp/archives/47042666.html

コメント


Wix.comを使って作成されました

bottom of page